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fckey's Tech Blog

オフィスのGoogle化を試みる投資銀行

Banks ‘Googlize’ Their Offices to Land Tech Talent (投資銀行が優秀なITエンジニアを惹きつけるためオフィスをGoogle化する)

投資銀行も優秀なITエンジニアの確保に本気になってオフィス環境から変更していくらしい。

外資投資銀行といえばアルゴリズムによるHFT *1に力を入れているためコンピュータサイエンスや数学・物理学の専門家を多く雇っている。所謂ロケットサイエンティストというやつである。

近年の投資銀行の利益の大半はM&Aや引受業務などの手数料ビジネスよりトレーディングによるサヤ取りによって生み出されるため、より早くより多くの取引を可能にするためのシステム構築に特に熱心になっている。 また、取引に関わる部分以外でも決済システムやドキュメント自動生成などあらゆる面でITに関わり仕事をするため技術力の差がファームの位置づけの差になると言っても過言ではなく、投資銀行は優秀なITエンジニアの確保に余念が無い。

しかし、近年は欲しい人材がシリコンバレーに流れてしまう傾向があるようだ。以前なら給与面でウォール街が人気だったのだろうが、金融危機後はウォール街での給与が落ち込み、逆にシリコンバレーにあるようなスタートアップでは(プチバブルもあって)給与水準が高まっている*2。 この傾向はFacebookTwitterの台頭以降顕著であり、さらに自分の好きなことをして一発当てるアメリカンドリーム的な側面もある。

給与の面では最終的には差はなくなるのだが伝統的で保守的な投資銀行と新興のスタートアップでは労働環境がかなり異なり、お堅いオフィスでスーツを着て働くのとビリヤード台を横目にカジュアルな服装で自由な雰囲気で仕事をするのとでは仕事へのモチベーションが変わってくるだろう*3

特に、GeekでTechyな連中というのはカジュアルでオープンな雰囲気を好む傾向にあるようで、投資銀行でもそういった人材に魅力的に思われる環境づくりを進めていくらしい。 自分の知っている限りでも投資銀行で働くエンジニアは優秀な人が多いと思うので良い人材良い労働環境に囲まれて働きたいのなら選択肢の一つとしてオススメである。

日本のSIerなんかもこういう面から労働環境を改善して優秀な人材に魅力的に感じてもらえるように成れたらと思うのだけどね。(そもそも彼らはGeek的な優秀さは求めてないかもしれないけど。)

*1:High Frequency Trading - 高頻度取引

*2:新卒アナリストの場合、ウォール街のエンジニアは$70k前後、シリコンバレーなら$100kくらい貰えるらしい。

*3:個人的にはスーツでカッチリとキメたビジネスマンもカッコイイとは思う